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医師として向き合うパラアスリートスペイン代表スサナ・ロドリゲス選手

連日、コロナ感染拡大や各地豪雨のニュースがあふれている為、8日に閉会した東京オリンピックがすでにずいぶん前の出来事のように感じてしまいます。

それでも来週24日(火)からはいよいよパラリンピックが開催ですね。

コロナにより、その練習環境も大きく変わりパラアスリート選手にとっても大変な時間を過ごしてきたことと思われます。

今回はそんな1年に翻弄されながらも、ひたむきに東京パラリンピックを目指したトライアスロンスペイン代表スサナ・ロドリゲス選手に注目したいと思います。

「スサナ・ロドリゲス選手(Susana Rodríguez)」

彼女は、眼皮膚白皮症により、通常の視力の10%以下である視覚障害を生まれながらに負いました。

「眼皮膚白皮症」とは、出生時より皮膚、毛髪、眼の色が薄く、メラニン色素の合成の減少や損失により起こる遺伝病で、視力障害が伴うことが多い難病に指定され、日本でも約5,000人の患者さんがいると推定されています。

そんな彼女は小さなころから走ることが好きで、10歳の時にはアスリートになりたいという夢を持ち始めました。

「幼いころから誰の助けも借りずに、自分でできるようになるまで挑戦してきたことが、私の闘争心を育ててくれたのだと思います。」と語る彼女は、10歳の頃から始めたランニングと並行して2時間の勉強を毎日こなしていきました。

そして、18歳で医療関係の仕事につきながらも、アスリートとしての挑戦をやめずに、2010年22歳でトライアスロンを始めました。

そして、2016年には念願のリオパラリンピックに出場し、5位という結果に終わりました。

満足いかない結果とその悔しさから、リオパラリンピック後からは病院での仕事を休止し、次の東京へ向けてアスリート1本でトレーニングに励みました。

その甲斐あって、2018年、2019年には世界チャンピオンとなり、現在は、女子視覚障害のトライアスロン選手で世界ランキング1位に上り詰めました。

しかし、2020年スペインでのコロナの蔓延により、多くの人々が苦しむ姿を見て、当時32歳の世界チャンピオンはガリシア州都サンティアゴ・デ・コンポステーラの医師として再び医療従事の仕事を再開しました。

主な仕事は、患者のリハビリの相談や治療後の対応でしたが、やはり急拡大する患者数に大きな恐怖と不安を感じていたようです。

そんな中でも、パラリンピック委員会が用意してくた室内マシンを使い、仕事の後にも毎日4時間の練習を欠かすことはなかったようです。

世界的パンデミックの中、二足の草鞋を履く彼女に、アメリカの「TIME」誌も注目し、彼女が表紙として抜擢されました。

1つのことを極めるだけでも相当な努力が必要ですが、それを2つ極めるためにはそれ以上の努力と精神力が必要になってくるはずです。

そんな彼女が挑戦をやめないのは、「自分の視力に障害があったからこそ」だそうですが、根底にあるのはやはり幼い頃に感じた悔しさからきているのではないでしょうか。

できないことを克服したい、負けたくないという気持ちは、もちろん私自身も持っていますが、結局そのモチベーションを常に保っていられるかどうかが、大きな違いなのだなとつくづく思います。

同じ人間なのだからやればできるはず!

そう思いながらも、すぐに甘ったれてしまい40年。
やはりいつまでたっても凡人から抜け出せなそうです。

情けない私の話ここまでとして、そんな私にもやる気を起こしてくれる彼女の競技には、是非注目して頂きたいと思います。

競技はもちろんのこと、パラリンピックではその人となりにも注目ですね。

彼女の競技は28日(土)6:30からスタートです。

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