以前スペインを訪れた際、無謀な移動プランを立ててしまい、予定通りのスケジュールは物理的に不可能とわかり、思わぬ形で、アラゴン州サラゴサに滞在することとなりました。
しかし、何の前情報や宿泊先も決めずに到着したものの、また是非訪れたいと思うほどに美しい街でした。
特にその日は何の予定もなかったので、ゆっくり街を歩いて楽しむことができました。
その時、久しぶりにスケジュールやアポイントから解放されたせいか、エブロ川の緩やかな流れが心地よく、夕方からしばらく、サラゴサのシンボルでもあれるピサール聖堂を眺めていました。
エブロ川にかかるピエドラ橋からはピサール聖堂の眺めも美しく、地元民から観光客まで、多くの人が思い思いの時間を過ごしていました。
日が暮れるに従い、空の景色が川面に反射し、聖堂の光とともに幻想的な風景へと変化していく様に心を惹かれて、かれこれ2時間は橋の上でカメラをパシャパシャしてました。
その中でも、個人的にお気に入りの1枚。
それにしても、スマホのカメラでここまできれいに撮れるとは驚きです。ちょうど旅する前にスマホを買い替えて正解でした。
乾燥している土地柄か、空の青が抜けるように美しく、土壁とのコントラストがとても映えて見えます。
ピサール聖堂の正面には、ピサール広場が広がり、夕方からはレストランやバルのテーブルが広げられ多くの人で賑やかになります。
現在のピサール聖堂は、1681年から建設が始まり、修復、改修を繰り返しながら1872年に現在の形となりました。
現在のバロック様式で建てられた以前には、ロマネスク様式やゴシック様式などが用いられていた為、その面影が現在にも残っていて、長い年月をかけ歴史の様式がミックスされた珍しい建築物でもあるようです。
ということで、今回はアラゴン州のワイン「ナサリン」。
アラゴン出身の映画監督ルイス・ブニュエルに敬意を表して造られた、飲みごたえのある味わいです。