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ワインと牛乳の意外な共通点

みなさま読書はお好きですか?

私は小さい頃は文章を読むのも書くのも大嫌いでしたが、20歳頃から海外の旅をするようになり、持て余した時間を消化する為に読み始めたのをきっかけに、本を読む面白さと、大切さを覚えました。

最近では読む機会も減りましたが、時代小説が好物です。

なかでも藤沢周平さんの小説は描写が美しく、長編、短編ともに読み漁っていました。

近頃は小説ではなく、ビジネス本やら、エッセイやら、ワインに関する本などが増えましたが、先日読んだ本の中で、個人的に”へ~”と感じた新たな発見がありました。

今回はそんなワインにまつわるお話を1つ。

「低温殺菌牛乳」

と表記された牛乳はみなさんご存じの通りだと思います。

その名の通り、低温で殺菌して保存効果を高めています。

実はこの技術は、ワインの保存と殺菌の為に考え出された方法でした。

この方法を生み出したのは、アルコール発酵が酵母の働きによることを発見し、ワイン醸造を化学的に解明したルイ・パスツール氏。

ルイ・パスツール氏は「細菌学の父」と呼ばれ、ワインに関することだけでなく伝染病と細菌の関係を明らかにし、ワクチンを世に広めた人物でもあります。

この「低温殺菌法(パスツーリゼーション)」はワインの場合は、54度まで熱し、常温に戻してからボトリングする方法の他、ボトリング後、82度の熱湯を約15分間ボトルに振りかけ、すぐに冷水で常温に戻す方法などもります。

特に牛乳にはあらゆる細菌が存在するため、保存状態を保つためにもこういった熱処理が重要になり、味わいを落とさず殺菌ができるこの低温殺菌法が取り入れられ現代まで使われています。

そしてこの低温殺菌法はワインや牛乳の他、ビールなど温度によって味の変化に影響がでやすい飲料や食品に応用されています。

意外と思われるでしょうが、品質保持の為にワインの出荷前にはそうした熱処理が行われています。

もちろんすべてのワイナリーでしているわけではないようですが、ブルゴーニュの著名な作り手ですら、出荷前にはこの「低温殺菌法」を行っているくらい信用された殺菌方法のようです。

ワインに熱はいけないという知識は正しいですが、私達の手にするワインは、品質保持の為に、こうした細かい研究と技術が隠れているのですね。

おまけにもうひと知識。

だいぶ気温も下がってきましたが、これからの時期なら、長期保存を目的でなければ、ワインセラーが無くても、日の当たらない場所に保管しておけば、春までは安心して美味しさを保てます!

ただし、自然派やナチュールとをばれる類のワインはできる限り、セラーか冷蔵庫での保管をオススメします。

これらのワインは、多少の温度変化によって酵母の活動が再開する可能性などを秘めていますのでご注意を!

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