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スペイン産有機ワインセミナー

コロナの新規感染者数減少に伴い、少しずつ酒類業界も元気を取り戻しつつあります。

そんな中、先日スペイン大使館経済商務部が主催する「有機ワインテイスティングセミナー」に参加してきました。

日本でも有機農法、オーガニックという言葉がずいぶん浸透してきたようにも思います。

私自身も、食べるもの、飲むものなど、多少の値段が高くても有機認証があるものや、環境に配慮されて造られた製品を購入する機会が多くなったように思います。

そうした意識がワイン業界の中でも根付きつつありますが、皆様も少なからず意識されるのではないでしょうか?

世界的にも有機農法やサスティナブルな農業を目指す農家や企業が増える中、2017年の有機農業取り組み面積は世界平均が1.5%に対して、スペインでは約9%が有機農業へと転換しています。(ちなみに1位はイタリアで約15%)

また、スペインのぶどう栽培耕作地に限っていうと、2019年では有機畑は全体の5.15%(121千h)を占めています。

地域別にみると、カスティーリャ・ラマンチャ州が50%を占め、カタルーニャ州、バレンシア州と続き、その3州だけで75%を占めます。

これは気候と気象が関係しており、湿度が高く雨の多い地域ではブドウが様々な病気にされされるリスクが高いため有機栽培法で許される対応だけでは処理できないことが往々にしてあるため、乾燥した地域に集中していることがわかります。

さらには、スペイン国内で有機ワインを製造しているワイナリーは2001年では135社でしたが、2019年には1,152社まで増加しています。

これらの統計を見るだけでも、いかに有機栽培に関心が高まり、我々消費者が有機栽培製品を目にする機会が増えたのもうなずけます。

そんなスペインの有機ワインを今回は、コンラッド東京でソムリエをされていて、2020年の全日本最優秀ソムリエコンクールで準優勝になられた森本美雪さんが自身の感想を交えながら説明してくれました。

私自身、特にワイン教室やセミナーに通うわけでもなく、独学でワインエキスパートの資格を取得しただけに、こうして、プロの方のコメントを聞きながらワインの味わいを確認していくという作業は、毎回とても新鮮で勉強になります。

もちろんソムリエさんの集まりに呼んで頂き、共に味を確認しながら楽しむ経験は度々あるのですが、自分では感じにくい香りや味わいの表現を説明頂けると自分の意識領域も広がるような感覚があり、特に森本氏の的確な表現にはとてもわかりやすく、感心しました。

今回のテイスティングはノンアルコールスパークリングワインを含めて、8種類。

6ワイナリーによる品種や醸造の異なるオーガニックワインが用意されました。

一昔前は、オーガニックワインというと、少し土臭かったり、飲み口に粗さがあったりするものもありましたが、現在は作り手さんの技術の向上や畑の質の向上により、そうしたマイナス要素はほとんど感じなくなりました。

むしろ、そうした土臭さや自然な味わいが、プラスの要素にとらえられるようになったことも、ワインを楽しむ味わいの幅を広げたように思います。

中でも、ブームにもなりつつあるアンフォラで熟成されたワインもあり、スペインのオーガニックワインに対する作り手さんのこだわりも強く感じ、時代の流れによって作られていくワインの姿の変化も感じることができました。

スペインではアタックやタンニンが強く、アルコール度数が強いワインが多いという印象を持たれている方も、まだいらっしゃいますが、世界的にも食事と合わせて楽しめるワインの需要が高まるにつれて、スペインでもそうした、旨味や繊細さを活かしたワインも増えてきています。

今回のセミナーでもそのような、食事に合わせやすいラインナップとなっていたこともあり、オーガニックワインの新しい認識を私たちもしっかり伝えなければいけないな感じました。

改めて有機ワインの可能性と品質の向上を感じられた素晴らしいセミナーでした。

皆様もこの機会に、年々関心が高まる有機ワインを飲み比べてみてはいかがでしょうか。

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